ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」ブレイディみかこ著
英国人男性(正確にはアイリッシュ)と結婚した日本人女性が、その間に生まれた息子を通じて感じる英国の階級格差や分断、偏見、差別などを書いたエッセイ。
まず、この題名がめちゃくちゃセンスがいい。これは著者の息子君がノートに落書きした文章からとったものなんだけど。そして、みかこさんは文章がうまい。書いていることも、ただ感じたことだけでなく、その言葉の裏にある背景を出典を明らかにしながら説明する。すごく読みやすいのに中身も濃い。文章のセンスの良さに嫉妬しちゃう。
英語でsympathyとempathyの違いについて説明している。どちらも共感とも訳せるが、sympathyは感情や行為や理解だが、empathyは能力なのだそう。感情的に同情しているsympathyは共感しやすいが、empathyは同情しているわけではないが、相手を理解しようとする能力ということらしい。empathyとは何かと問う問題に、息子は他人の靴を履いてみることと答えている。empathyこそ、いまの世の中に必要なのかもしれない。
また、時間をおいて読んでみようと思う。違うものが見えてくるかもしれない。
みかこさんの文章が気に入ったので、他の本も読んでみようかな。