はるなつふゆと七福神

はるなつふゆと七福神 賽助著

 

ゲーム実況の三人称の一人、鉄塔さんが賽助名義で書いた初の小説。第1回「本のサナギ賞」優秀賞受賞作。

不景気で会社を首になってしまった女性が、近くの神社にお参りにいき、再就職を願ったら、福禄寿と寿老人が訪れてきてしまったところから物語が始まる。

ほのぼのとした内容で日常的な話が続くのかと思いきや、七福神大戦争の話にまでつながる。物語の中で、主人公が自分をダメな人間だと卑下したときに、その話を聞いた人が「内角の和」を出してきて励ますところや、七福神の争いに巻き込まれたくないと関わりを避けようとする主人公が、この国のことを自分には何もできないからと、行く末を眺めているだけでいいのか?と考え直すところなどは、響いた。

 

シリーズ化されてもいいように思うが、内容も話もよく練られているので、そう簡単にシリーズ化できないのかな?

 

ゲーム実況での鉄塔さんが書いた小説ってどんなもんかなと思って読んでみたが、失礼な言い方だが、予想以上に良かった。読みやすいし。(←個人的にかなり重要)